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「#タイプロ」の「RUN」から  こころの痛みについて

樹のイラスト
 昨年、「#タイプロ」として盛り上がりを見せたオーディション番組がありました。timeleszというグループが再出発のために仲間探しをするというコンセプトで、見ていると、つい引き込まれてしまう場面がいくつもありました。
 この番組の中で、候補生たちの課題曲に取り上げられていたのが、グループの前身であるSexyZone時代の「RUN」という楽曲でした。
 私はこの曲を聞くたびに、「感じてるんだろう。感じてなきゃダメ。痛みに気づかないふりをするな」というフレーズに惹かれます。
 今の社会で生きるためには、痛みを感じないふりをすることの方が多いのではないでしょうか。でも、この曲は、「痛みに気づかないふりをするな」というのです。
 カウンセリングでは自分のこころの痛みと向き合います。痛みを軽視するのでなく、痛みを感じる自分を責めるのでもなく、自分のこころの痛みを大切にする作業です。
 こころに痛みを感じたなら、気づかないふりをしないで、その痛みを大切にしてください。きっとあなたに、なにかを教えてくれるはずです。
2025年03月25日 20:21

対話の可能性 ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」から

ラベンダー
大変遅くなりましたが、昨年、当法人に関わってくださったみなさま、ありがとうございました。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

この年末年始は、ドラマにハマってしまい、毎晩夜更かしをしてしまいました。特に、昨年春に放映された「アンメット」というドラマには、Netflixで一気見した後でもう二周してしまったというハマりようでした。
 記憶が一日しかもたないという記憶障害のある脳外科医を演じる杉咲花さんの、大きな目で相手から目をそらさず、じっと話に聞き入る姿はカウンセラーとしても心打たれるものがありました。
 このドラマは、主演の杉咲花さんを筆頭に、演者もスタッフもくりかえし対話を重ねて時間をかけて制作した作品だそうです。杉咲花さんがインタビューの中で、スタッフもキャストも一人も取りこぼされることがないように意識したと語られていました。
 最近、「対話」という言葉をよく聞くようになりました。SNSなどでは声高な強い言葉が力を持ってしまう状況もありますが、リアルな社会ではひと頃のように強い言葉で人を引っ張っていくリーダーを持つ組織よりも、お互いを尊重しながら対話を繰り返している組織の方がよい作品を生み出したり、働きやすい職場環境を整えたりしているように思えます。
 相手のことばに静かに耳を傾けること、その中で湧き出てくる自分の考えや気持ちにも耳を澄ませること、それを他者に伝えることをていねいにできる一年であれば、と思っています。
2025年01月24日 14:39

だれかの困りごとに熱心になりすぎてしまうとき

あじさい
ー それはだれの問題? ー
親しい人、家族だったり、友人だったり、恋人だったりが悩んでつらそうにしていると、心が苦しくなります。当たり前ですよね…。励ましたり、なぐさめたりしてなんとか元気になってもらいたいって思います。
では、こんな場合はどうでしょう。友人に恋人から暴力を受けていると相談されたとき。なんとかしてあげたい、助けたいと思います。自分でも情報を集めて助言をしたり、友人を守る手立てはないか、恋人から離れさせることはできないかとあれこれ考えるかもしれません。

ところが、こちらの熱心さとは裏腹に、友人は暴力をふるう恋人から一向に離れようとしないとき、あなたはどうしますか。
もっと真剣に友人に助言をして、なんとか助ける方法はないか考え、必死に説得しようとし、いつの間にか、頭の中はそのことでいっぱいになる。そうして、こんなに必死に考えてあげているのに、友人が自分の思ったような反応をしない場合、友人に対して怒りが出てくるとしたら。もしも、そうだとしたら、要注意。ちょっと立ち止まってください。

過去に同じような苦しみを体験した人は、自分の苦しみが思い出されて自分事のように感じてしまっているのかもしれないし、身近な人を苦しみから救うのは自分の責任だと強すぎる責任感が働いているのかもしれません。子どものころ、親御さんが支配的で、不都合なことを自分のせいにされ続けると、過剰に責任を感じてしまいやすいことも知られています。

もし、あなたが人の問題に巻き込まれやすく、人のことなのに自分のことのように感じすぎてしまうなら、自分と人との間にある境界線を見直してみてください。それはだれの問題で、どこからが自分の問題なのかを見つめ直してみましょう。
2023年06月23日 19:37

子どものかんしゃくにどう対処する?

こどものケンカ
幼い子どもたちと日々とぎれなく付き合うことはとても大変。めちゃくちゃエネルギーを使いますね。
特に、子どもが落ち着きなく動き回り、多動気味のタイプであれば、親も非常に体力を消耗するし、子どもを危険から守るために頭の方もフル回転させていなくてはなりません。児童精神科で働いていた時、多動タイプのお子さんを連れてこられる親御さんたちが一様に疲れていた様子が思い出されます。

うちの子どもも幼少期は多動タイプで、食事中もテーブルの周りをくるくる歩き回り、しゃべりながらごはんを食べていたものでした。特に困ったのはかんしゃくで、かっとなると足をバタバタさせて泣きわめいたり、手近にあるものをつかんで投げつけたり。
そんなとき、役に立ったのは、「ADHDのペアレントトレーニング むずかしい子にやさしい子育て」(シンシア・ウィッタム著 明石書店)という本です。日本語タイトルにはADHDとありますが、原書はすべての子どもたちに向けて書かれたものだそうです。
子どもがかんしゃくを起こして手に負えないときの対処法がとても具体的に書かれています。ただ、エッセンスをまとめると、「子どもがいいふるまいをしたらほめる(肯定的な注目を与える)」「子どもがかんしゃくなどしてほしくない行動をしたら無視をする(注目を取り除く)」ということです。そして、「かんしゃくなどしてほしくない行動が収まったら、子どもに注意を向ける」ことです。

たとえば、学校の宿題で、算数のプリントに取り組んでいるとき、かんしゃくを起こして、プリントをぐしゃぐしゃに丸めて放り投げた場面。親はなんの反応もしないようにします。もちろん、叱らない。怖い顔もしないし、ため息もつかない。そうして、かなりの時間がたって、もし放り投げたプリントを自分から拾いに行って、もう一度取り組み始めたら、ここぞとばかりにほめる。
お菓子がほしいのにお母さんがくれないからと足を踏み鳴らして大声で泣きわめくとき。やめるように叱ったりせず、放っておきます。ましてや、お菓子を与えることは決してしません(お菓子をあげると、よけいに足の踏み鳴らしと泣きわめき回数を増やしてしまいます)。長い時間が過ぎ、ようやく自分で怒りを鎮めることができたら、すぐに子どもに注意を向け、落ち着けたことをほめてあげます。
この方法を使うようになって、親子間での険悪な雰囲気がなくなり、親としての心身の消耗度合いも減って、ずいぶん楽になったのを覚えています。
2023年06月22日 21:53

子どもを叱りすぎて、疲れていませんか

子育て01
子どもが元気に過ごしている姿を見るのは親にとっての喜びですが、そうは言っても、子育ては楽しいばかりではありません。とくに、子どもと1対1で向き合っていると、煮詰まってきてつらくなってしまうことも時にはありますよね。
「子どもを叱ってばかりで、もうへとへと…」叱っても叱っても効果がない、もうどうすればいいの、ということもあるかもしれません。

子どもは成長途上にある存在ですから、次々と失敗や間違いをやらかします。そんなとき、親は注意をしたり、叱ったりするのですが、子どもは同じ失敗をくりかえしてしまう。子どもからすると、自分は叱られてばっかりのダメなやつだ…となりかねません。
親としてはよかれと思ってしていること。そして、親としても、叱ってばかりいたくない。
では、どうすればいいのでしょう? 失敗や悪い行動は目立つので、見つけようとしなくても目を引くものです。でも、良い行動は目立たないし、場合によっては「あたりまえ」だとスルーされてしまいがち。だからこそ、ぜひ、積極的に子どもの良い行動を見つけてみましょう。そして、見つけたら、ほめてあげてください。
自分から宿題を始めたとき。きょうだいで仲良く遊べているとき。ちょっとした小さなお手伝いをしてくれたとき。ごはんを全部たいらげたとき。しっかりはみがきができたとき。楽しい絵を描いたとき…
ほんのささいなことでいいんです。「うちの子にはいいところなんて全然ない」そんなことはありません。どんな子も、必ずいいところがたくさんあります。

でも、もしなかなか見つからないとしたら、注目されないことで影をひそめてしまったのかもしれません。行動理論では、メリットがあれば、その行動は増えることが証明されています。逆に、メリットがないと、その行動は減ってしまい、ついにはなくなってしまうんです。たとえば、私たちも買い物をするなら、ポイントがつくとか何かメリットのあるお店に行きませんか。
子どもの行動も同じです。メリットは親からの注目。良い行動が注目されるなら良い行動が増えます。良い行動への注目がなく、叱られるときにばかり注目されるなら、注目してほしいがために叱られる行動をとってしまうこともあります。
だから、ぜひ、叱りポイントではなく、ほめポイントをたくさん探して、まずはほめてみませんか。少なくとも、叱る回数よりも、ほめる回数が多いように。
そうすると、子どもの望ましい行動が増えるので、叱りポイントが目立たなくなり、叱ることに注いでいたエネルギーも減り、親も疲れないし、子どももうれしくなり、親子の関係も良くなります。

だけど、もし、ほめどころがうまく見つけられないなら、一緒に見つけるお手伝いをしますので、ぜひ、カウンセリングルームにお越しください。
2023年05月21日 15:53

こころの傷つきをいやす(ホログラフィートーク)

ホログラフィートーク_コピー
幼少期は親や養育者に頼らないと生きてはいけない時期です。子どもは、周囲の大人たちから大切にされて成長する中で、自分は大切にされる価値ある存在なんだと認識するようになります。
ところが、周囲の大人たちが、精神的、経済的に、さまざまな事情があって、子どもたちを大切にできないこともあります。
大切にされるより、粗末にあつかわれることが多かった子どもたちは、根拠なく、自分は劣った存在だ、自分には価値がないと思いこんでしまったりします。また、強い傷つき体験を繰り返すと、その傷つきが悪さをして、大人になっても「自分はダメだ」という感覚や人への不信感や怖さを引き起こしてしまうことがあります。
 
そのような、処理されないままになっている傷つきを治療する技法のひとつに、嶺輝子先生の考案されたホログラフィートークがあります。
今の自分が過去の傷ついた自分と向き合い、過去の自分と対話しながら傷つきをいやしていく方法です。つらい感情や、痛みやこりなどの身体症状、過食や自傷などの困りごとを入り口に、過去の自分と向き合っていきます。
イメージを使うのも特徴的で、自分の症状を色や形で表現したり、光の柱をイメージしたりします。そうして、自分を許し、自分は価値のある大切な存在であることをイメージの中で体感していきます。

ホログラフィートークを実施するときは、通常の50分カウンセリングに30分カウンセリングをプラスして行います。長い時間がとれない方は、2回に分けて行うこともできます。
ご関心のある方はお問い合わせください。
2023年03月30日 10:46

人の感覚はそれぞれ

人の感覚はそれぞれ
先日、「スヌーズレン」ということばを教えてもらいました。不勉強で、初めて聞いたことばだったので、ググって調べてみました。
調べてみてわかったこと。「スヌーズレン」とは、感覚にアプローチする療育の方法の一つで、1970年代にオランダで始まり、現在は世界45か国以上に広がっている、日本でも数十年前から取り組んでいる施設が少なからずあること。
自分にとって心地の良い感覚刺激の中でリラックスして心身の調子を整えたり、子どもたちの発達を促したりするそうで、感覚刺激に鋭敏すぎて日々ストレスを感じやすい方々にも役に立つとのことでした。

幸か不幸か、わたし自身はどちらかといえば感覚は鈍いほうですが、身近では光、音、匂い、触感などの刺激が鋭いことで苦労している人の話を聞くことがあります。
つい最近も知人から、某アパレルメーカーのあったかシャツを買ったのだけど、着るとチクチクするので捨ててしまったという話を聞きました。あったかシャツを常々ありがたく思っている人間としては、そう感じる人がいるということにけっこう驚きました。
ついつい、自分軸で世界を見てしまうので、人が自分とは違う感じ方をして生きていることに無頓着になってしまいます。けれども、人によって刺激の受け止め方が違い、五感のとらえ方が違うということにもっと想像力を働かせる必要があるのでしょう。

特に、「気にしすぎ」「わがまま」と言われてしまいがちな、発達途上の子どもたちや、非定型の発達特性のある方々が感じている世界、見えている世界は、自分の五感でとらえている世界とは相当違っているかもしれない。人とは違う感覚を持って生きていくだけでも苦労があるのに、さらに心ない言葉によって傷つくことがあるとすれば、それは周囲の人々の想像力のなさという問題。自戒を込めて思います。
2023年01月24日 01:38

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