今年の「五月病」は・・・
また「コロナとともに生きる」社会へと変化する中、これまでの数年間とは違う春を過ごしておられる方も多いのではないでしょうか。
新しい場所で新たな一歩を踏み出し、慌ただしい4月を乗り切った後、大型連休に突入します。それを楽しみにしておられる方もいらっしゃると思います(もちろん、私も)。
今回のテーマは「五月病(ごがつびょう)」です。
5月の連休明け頃、勉強や仕事に対する意欲・関心を失い、無気力な状態に陥ってしまうことを「五月病」と呼んでいます。
進学による環境の変化や、学生から社会人になるという環境の変化は、自分が思う以上に大きなストレスを伴います。
そもそもストレスは「変化」や「刺激」によって引き起こされるもので、それがたとえ「良い変化」や「良い刺激」であってもストレスになり得ます。例えば、希望の大学に入学できた、第一志望の会社に入社できた、もしくは昇進した、などなど・・・。
そして、新しい環境や新しい人間関係への適応が上手くいかなかったり、あるいは「適応しなくては」と頑張り過ぎてしまったりすることで、心身の疲労が徐々に蓄積していきます。
緊張して気を張り詰めていたため気付かずにいた心身の疲労やストレスが、連休に入って噴出し、自分自身の不調を実感する、ということが起こります。
また、会社や仕事に抱いていた理想的イメージと現実とのギャップから生じた失望感が、休みの間に一気に膨らんでしまい、気力が保てなくなる、といったこともあります。
五月病は、一時的な「こころの燃えつき」でもあり、やる気がわかない、何もする気にならない、食欲がない、憂うつな気持ちになる、といった状態に陥るのですが、ほとんどの場合は新たな環境に馴染むにつれ自然と改善します。しかし「こころの燃えつき」が数週間以上続くと、学校や会社に行けなくなるほど深刻化してしまう場合もあります。
「新しい環境に入った時は、心身に大きなストレスがかかるものだ」と知っておくだけで、気持ちが少し楽になるかもしれません。また「入社したばかりなのに、どうしてこんなに疲れているのだろう」と不安になった時、「疲れるのは当たり前。変化はストレスだから」と考えることができると、少し安心できるかもしれませんね。
私たちは社会の中で生きる限り、変化と無縁ではいられません。コロナ禍、進学や就職、家族関係や友人関係の変化、自分自身の変化・・・etc。生きるということは、常に変化と隣り合わせです。そしてそれは、ストレスとも隣り合わせだということに他なりません。
今年の「五月病」が、果たしてどれくらいの猛威を振るうのかはわかりませんが・・・社会がこんなに変化しているのですから、ストレスを感じることもきっと多いと思います。
「しんどいな」と思った時は、「そうそう、しんどいよね」と自分自身に言ってあげること。
自分自身の言葉だけでは足りないと感じたら、一人で抱え込まず、親しい友人に話してみる、カウンセリングを利用する、などをお勧めします。
皆さん良い連休をお過ごしください。
2023年04月30日 13:55