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「居場所」について

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私たち心理専門職(ここでは、臨床心理士・公認心理師の両資格を持つ専門職を指します)が行うカウンセリングにおいて、特に重要なテーマの一つに「居場所」があります。
相談者さんから直接「自分の居場所がないことのつらさ、悲しさ」についてお話しいただく場合もあれば、相談者さんの感じている孤独や寂しさ、身の置きどころのなさ、等から「これはこの方の『居場所』についてのお話なのだな」と私たちが感じ取る場合もあります。
 
そもそも「居場所」とは何なのか。「居場所」については、これまでにも数多くの研究がなされ、論文もたくさん発表されています。「居場所」という概念が私たちにとって、とても重要な意味を持つことの証(あかし)だと言えるでしょう。
 
カウンセリングの場面では、「自分を受け止めてもらえる場がない」と感じることを「居場所がない」と表現される方が多いように感じます。
また、「以前は居場所があったが、今はなくなってしまった」ことを話される方もいらっしゃいます。「居場所」とは、失って初めて意識されるものなのかもしれません。
そして「居場所がない」と意識した瞬間から、「居場所のない状態=本当の自分のいない状態」のように感じ、「偽りの自分」をつくって自分を守ろうとする場合もあります。その場合、「偽りの自分」はいるが「本当の自分」はいない、という状態になり、この状態が長く続くことで身体と精神がばらばらになってしまうような感覚に陥るかもしれません。
 
社会の中で生きていく以上、「ありのままの自分」という感覚を持つこと自体、難しいのかもしれません。でも、そんな感覚を持つことができれば、どれだけ生き易くなるか・・・。
 
これからもカウンセリングの中で、皆さんと一緒に「居場所」について考え続けていければと思っています。
2023年03月30日 10:59

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